「実家が木造モルタルの家なんだけど、最近外壁の劣化が気になる…」
「木造モルタルってどんな構造なんだろう?」
木造モルタルは、昔の日本の住宅でよく見られた構造です。
独特の風合いがありますが、最近ではあまり見かけなくなりました。
今回の記事では、
- 木造モルタルとは何か
- その構造
- 特徴
- メリット・デメリット
- ひび割れ対策
- 修繕、改修方法
などをわかりやすく解説します。
木造モルタルについて理解を深めておきましょう。
修繕や改修を検討する際の参考にしてください。
木造モルタルとは
木造モルタルとは、木造軸組工法で建てられた建物の外壁仕上げにモルタルを使用した構造のことです。
木造軸組工法は、柱や梁といった軸組で建物を支える日本の伝統的な建築方法です。
その軸組に、木ずりと呼ばれる薄い木材を打ち付けます。
その上にラス網(金属製の網)を張って、モルタルを塗り重ねて仕上げます。
築年数の古い住宅で多く見られる構造です。
木造モルタルの構造
木造モルタルは、主に以下の層で構成されています。
木造軸組
- 柱
- 梁
- 土台
- 筋交い
などで構成される建物の骨組みです。
建物の荷重を支える重要な部分です。
下地(木ずり、ラス網)
木ずりは、柱や間柱に打ち付けられる薄い木材です。
ラス網は、木ずりの上に張られる金属製の網です。
モルタルの食いつきを良くする役割があります。
モルタル層
- 下塗り
- 中塗り
- 上塗り
の3層に分けて塗り重ねられます。
各層でモルタルの配合を変えることで、強度や防水性を高めています。
木造モルタルの特徴
木造モルタルには、以下のようなメリットとデメリットがあります。
メリット
防火性に優れている
モルタルは不燃材料です。
火災時の延焼を防ぐ効果があります。
耐震性に優れている(適切な施工がされている場合)
木造軸組とモルタルが一体となることで、一定の耐震性を発揮します。
ただし、適切な施工がされていることが前提です。
調湿性がある
モルタルは微細な空隙を持っています。
湿気を吸放出する調湿性があります。
独特の風合いがある
職人の手作業で仕上げられます。
温かみのある独特の風合いがあります。
デメリット
ひび割れやすい
- 木材の伸縮
- 乾燥収縮
- 地震
などの影響でひび割れが発生しやすいです。
断熱性が低い
モルタル自体は断熱性が低いため、夏は暑く、冬は寒くなりがちです。
気密性が低い
隙間ができやすいです。
気密性が低いため、冷暖房効率が悪くなることがあります。
修繕・改修に手間と費用がかかる場合がある
ひび割れ補修
塗装
など、専門的な技術と費用がかかる場合があります。
木造モルタルのひび割れとその対策
木造モルタルのひび割れは、主に以下の原因で発生します。
乾燥収縮
モルタルが乾燥する際に収縮することでひび割れが発生します。
地震
地震の揺れによってひび割れが発生することがあります。
不同沈下
地盤の不同沈下によって建物に歪みが生じます。
ひび割れが発生することがあります。
ひび割れには、
- ヘアークラック(髪の毛のような細いひび割れ)
- 構造クラック(幅が広く、構造に影響を与える可能性のあるひび割れ)
などがあります。
ヘアークラックは比較的軽微な修理で済みます。
構造クラックの場合は専門業者による対応が必要です。
ひび割れを防ぐためには、
- 適切な下地処理
- 弾性塗料の使用
- 定期的な点検
などが有効です。
木造モルタルのメンテナンス方法
木造モルタルのメンテナンス方法は、劣化の程度や目的によって異なります。
塗装
防水性や美観を維持するために、定期的な塗装が必要です。
部分補修
ひび割れなどの部分的に補修します。
重ね塗り
既存のモルタルの上から新しいモルタルを塗り重ねる方法です。
カバー工法(サイディング張り)
既存のモルタルの上からサイディングを張る方法です。
断熱性や気密性を向上させる効果があります。
解体・改築
- 劣化が著しい場合
- 間取りの変更
など大幅な改修を行う場合は、解体・改築が必要になることもあります。
費用は、
方法
範囲
使用する材料
などによって異なります。
複数の業者から見積もりを取りましょう。
比較検討することをおすすめします。
特にカバー工法は、モルタルと比較して費用が高くなる傾向があります。
業者を選ぶ際には、木造モルタルの実績があるかを確認することが重要です。
木造モルタルは、独特の風合いを持つ構造ですが、ひび割れやすく、断熱性・気密性が低いなどのデメリットもあります。
木造モルタルの特性を理解しておきましょう。
適切な対処を行うことで、長く快適に住み続けることができます。
特に築年数の古い木造モルタルの住宅では、定期的な点検と早めのメンテナンスが重要です。
神戸市内で検討する際は、弊社にご相談ください。
わかりやすくご説明いたします。